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撃ち抜けないのは、美女の心と物事の急所だけさ。
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<前回までのあらすじ>

→富士登山2012 その1 -初めての富士山-
→富士登山2012 その2 -登山の心得-
→富士登山2012 その3 -吉田ルート-



富士八合目。

長い長い富士山の登山道の中で、
八合目から九合目までの道のりがぶっちゃけ一番つらかった。

傾斜がきつくなり、登るペースが落ちてきたせいもあるのだろうけど、
とにかく山小屋から山小屋までが長い。

標高も 3000m を越え、気温もずいぶん下がってきた。

歩き続けているときはよいのだけれど、
混雑で前に進めずやむを得ず立ち止まると、
真冬並みの気温が容赦なく体力を奪っていく。

これまで全く気にならなかった風も吹き始め、
ゴツゴツとした岩を這うようにして登っていく。

幸いなことにこの段階でも高山病の気配はなく、
また身体の痛みも眠気もなかった。

一緒に登っていたキューブ君も、
自身の経験上、この感じでここまで登ってこれているなら、
山頂までは間違いなく行けると思う、と話していた。

山頂まで登れる。

その言葉が何よりの励みになった。

つくば100キロウォークのときも、どんなにしんどくても、
このペースを維持さえしていれば時間内にゴールに辿り着けるって
確信があったからこそ、途切れかけた気持ちを支えることができた。

富士山にはまた別の辛さがあるし厳しさがあるけど、
少なくとも身体が自分の意思の通りに動かせる間は、
「よしイケるぞ」って手ごたえが何よりの元気になると思う。

気持ちを切らさぬよう、
1歩、また1歩とゆっくりゆっくり歩みを進める。


山小屋「蓬菜館」を無事通過し、一行は「白雲荘」に到着。
時刻は午前2時を少し回った頃。

スタートから4時間半が経過、
日の出予定時刻までは残り2時間半。

何だ、まだ4時間しか登ってないのかって思う。
それと同時に、あと2時間以上も登らなきゃいけないのかとも思う。

混雑と傾斜で、あとどれくらい歩き続ければいいのかが
わからなくなってきていた。

そもそも距離の感覚が平地とは全く違う。

吉田ルートは、スタート地点となる富士スバルライン五合目から
ゴールとなる山頂、久須志神社まで
標高差 1,400m、距離にして 7.5km ある。

7.5km 。

平地で歩けば2時間の距離。

正直、たいした距離じゃないよね。

たとえ山道で倍の時間がかかったとしても、
4時間あればなんとかなるんじゃないか・・・なんて考えてた。

そんな自分をぶっとばしたい。

しんどい。

混雑で思うように進めない部分を差し引いても、
1時間 1.2~3km くらいのペースで歩くのがやっとだった。

ゆっくり、ゆっくりと意識して歩いてきたつもりだけど、
それでも体力的にはギリギリだったと思う。

太ももがパンパンだ。


標高 3,250m にある山小屋「元祖室」を抜け、
ほどなく歩くと再び標識を発見。

いよいよ九合目か!と期待して近付くと「本八合目」の表示。

八合目は、これがあと2回くらい続く。
「元祖八合目」も「八合五勺」も知らんがな(笑)


この頃になると、山小屋だけでなく道中でも端に寄って
マメに休憩を挟みながら登るようになっていた。

携帯電話のバッテリー残量が心もとないため
桶屋の携帯電源はOFFに。

今後のメーリングリスト送受信はヤマグチ君へお願いする。

携帯電話の電波は、八合目であっても
docomo、au、SoftBank、キャリア問わずちゃんと受信できるみたいだ。

さすがは富士山だなって思う。
それとも吉田ルートだからなのだろうか。

2時48分。
moonさん、カービィさん、かのか、につけちゃんの
先発隊は「トモエ館」にいるみたい。すぐ近くだ。

2時45分。
大島君、中山さんの2名は「元祖室」に。

2時58分。
あららちん、ちーちゃん、ウコンさんは「白雲荘」まで来ている様子。

みんなそんなに離れてはいないみたい。
あと少しだ。よっしゃ頑張ろうぜ!


本八合目「富士山ホテル」や「トモエ館」を抜ける頃になると、
登山道はいよいよ大渋滞。

山小屋に宿泊していた登山客も次々と山小屋から出発し、
お隣の須走ルートから登って来た登山客とも合流する。

ただでさえ狭い登山道に人が溢れてきた。

前が進めば自分も同じように進み、
前が詰まれば、動き出すまでしばらく休憩のような感じになる。

ご来光を見ようと隙間を縫うように人をかきわけ登る人、
とりあえず山頂まで登れればいいやとゆっくり登る人、
体力の限界を感じて下山道へ戻ろうとする人、
道のド真ん中で突然休憩を始める人。

それぞれの動きが混雑に拍車をかける。

前を見ても後ろを見ても人、人、人。

不謹慎かもしれないけれど、そしてホントにどうでもいいことだけど、
気圧の関係なのか歩くたびにおならが出た。

一緒に歩いていたキューブ君、にゃごちゃん、ヤマグチ君には
さすがに申し訳ないと思って一番後ろを歩いていたけど、
その自分のさらに後方にも他の登山客がぴったり後をついてくる。

高低差があるため、ちょうどお尻のあたりが
後ろの人の顔のあたりにくることもあるけど、
そのあたりはお構いなしにぶっぱなす。

犠牲になった方には申し訳ないけれど、
細かいことは気にしないことにしよう。

八合五勺にある「御来光館」が最後の山小屋。
ここを抜ければ、鳥居のある九合目まで、あと少し。

気が付いたら標高は 3,450m に達していた。
時刻は4時。

背中越しに見える地平線が
だんだん赤く、明るく染まってきているのが見える。

日の出が近いんだ。
山頂まで登るのは、ちょっと厳しいかもしれない。



→その5に続く

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撃ち抜けないのは美女の心と物事の急所だけさ。

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