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撃ち抜けないのは、美女の心と物事の急所だけさ。
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去年のつくばマラソン。

moon pieceでmoonさんも書いてくれていたけど、
完走した13人のつきっこメンバーの中で自分ひとり、
制限時間の6時間には間に合わなかった。

会場の時計で、6時間12分。

6時間以上走った中の、たった12分。
いや、されど12分。

ペースは人それぞれだろうけど、
距離に換算したら1.5kmってところだろうか。

それが、去年の自分に足りなかった距離。
縮めることができなかった「完走」までの距離だ。

原因は分かってた。

気持ちで負けた。

初めてのフルマラソン、その距離に気押された。

この年の5月に100kmを歩いて、10月にはハーフも走って、
だからたぶん、心のどこかで42.195kmって距離を舐めてたんだと思う。

フルマラソンだって、これまでと同じように
また本番になればなんとかなるだろうって考えてた。

でも、甘かった。

午後の紅茶に砂糖とハチミツとシロップ入れて、
そこにチョコと生クリームと練乳ぶっかけるくらい甘かった。

折り返し地点の段階で既に尋常じゃないくらい足が重かった。

走り出してもすぐにしんどくなって歩き出し、
いやこれじゃ駄目だと思いつつも、でも再び走り出す気にはなれなかった。

気持ちばかりが焦るけど気力がついていかなくて、
なんとか自分を説得し、騙し、足を前に出す。

あと10kmくらいなら頑張れるかも。
いや、でもまだあと20kmあるんだって。

マジ?

うん、マジ。

進んでも進んでも距離表示の標識が見えなくて、
もし仮にこのまま歩いてゴールしたらどれくらい時間かかるんだろうって
余計な計算ばかりして、あと何キロあるんだよってことばかり考えて。

寒いわ腹は減るわ、何でおれこんなとこで歩いてんだろうって
自問自答して、どんどん他に追い抜かれて、どんどんみじめになって。

去年はほんと辛かった。

しばらくして、歩いたらもちろん、仮に走ったとしても
時間内にゴールすることができない時刻を時計が示したとき、
気持ちの糸が完全に切れた。

あんな想いは、もう嫌だ。

だから今年は、2度と同じ失敗は繰り返さない。

そう誓って挑戦した2012年のつくばマラソン、
なんとしても時間内に完走することを目標にして走った。

今年は、絶対に舐めないって決めてた。
できることは全部やってやろうって思って挑戦した。

今回は、そんなつくばマラソンの走行記。


<トレーニング>

仕事の都合もあるから、毎日は走れない。

かといって、今まで走ってきた人たちのように
週1回のペースで長い距離を走る体力もない。

そこでやったのが、週2回のジョギング。

スピードは気にせず、一定の距離を週2くらい走る。

幸いなことに家の近くに緑道があって、
いくつかの幹線道路と組み合わせると
5km、8km、10km、20kmとわりと自由に距離を変更できる。

距離は「キョリ測」ってサイトで調べた。
GPS時計や「micoach」なんかがあると一番良かったんだけどね。

お金ないし。使うと怒られるし(笑)

最初のうちは、その日の体調と時間の都合に合わせて
短かったり、長かったり。

でも平日短かい距離しか走れなかった週の週末は、
ちょっとだけ長い距離を意識して走るようにして、それを続けた。

まぁ、正直ずっと続けられたかと言えばそうでもなくて、
忙しくて2週間まるまる走らないときもあったり
気分が乗らなくて週1回のときもあったりで、
練習量だけなら昨年の方が多かったんだけどね。

ただ、距離と時間を意識したことで基礎体力の部分はもちろん、
結果的に自分のペースを数字で掴めたのは大きかった。

走りだしたとき、10km走っとき、20km走ったとき、
それぞれの状態で、自分がMAXどれくらいのペースで走れるのか。

この具体的なイメージを持てたおかげで、
レース後半、時間に追われて無駄に焦らなくて済んだと思う。


<ケア>

効果的なストレッチの方法とかはよく知らなかったから、
走る前は準備運動、走った後に調整運動程度しかしてない。

ただ、何をするにしても柔軟性があるに越したことは無いと思って、
アキレス腱、太もも、股関節のストレッチは続けてた。

なんとなくだけど、気持ち疲れにくくなった気がする。
肩こりとかも大丈夫。


<体重>

本当は、去年の大会から今年の大会までの間に
こっそり5kg減らそうと思ってた。

どこかで読んだか誰かに聴いたのかうろ覚えなのだけど、
マラソンでは体重が1kg減ればタイムが3分縮むと言われてるらしい。

5kg×3分=15分

去年の大会が12分オーバーだったから、
その分、多少なり体重を減らして挑戦すれば、
ペースはもちろん、足腰の負担も軽くて済むかな、とか考えて。

ただ下手に食事制限とかしてしまうと長続きしないし
リバウンドも怖かったから、上記のトレーニグを続ける過程で
徐々に減らせばいいと思っていた。

・・・が、結果的には体重は去年より増えていた。

「ダイエットは明日から」を364日続けると、
1年って簡単に過ぎていくようだ。


<カーボ・ローディング>

カーボ・ローディングとは、運動エネルギーとして即効性の高い
グリコーゲンを通常より多く体内に貯蔵するための栄養摂取の方法のこと。

具体的な方法としては、大会の1週間くらい前から運動量を減らし、
かつ3日前から大量の炭水化物を意識的に摂取する。

これをするとぶっちゃけ太るんだけど、
去年、最後まで走り切れなかった原因のひとつに
エネルギー不足があると考えていたので、今年初めて挑戦した。

大会前は、十分な水分とともに
ご飯やうどん、パスタ、どら焼きやバナナなんかを食べた。

脱水作用のあるお酒も可能な限り抜いた。
効果はあったと思う。

昨年の中間タイムが2時間45分19秒だったのに対して、
今年の中間タイムは2時間44分06秒。

中間地点まではほとんど変わらないタイムで走っているにも関わらず、
結果だけ見ると20分以上タイムを縮めることができている。

最後までエネルギー不足に陥ることなく、
粘り強く走り切れた証拠だ。


<スタート直前>

つくばマラソンのスタートは午前9時半。
これが思いのほか早い。

会場までは昨年同様、moonさんが車で送ってくれたのだけど、
8時50分に会場に到着したとしてもスタートまで40分。

スタートラインには10分前には行きたいから、
動けるのは実質30分。

チームの場所を確保して、レジャーシートを敷いて、
渋滞しているトイレに行って・・・なんてことをしてるうちに
あっという間にスタート時刻。

本番前の緊張感も相まって
昨年はまともに準備運動もできなかった。

今年はそれを経験していたからね、
トイレは事前に済ませ、レジャーシートを敷き終えたときから
すぐに準備運動とストレッチを始めた。

落ち着いたら恒例(?)のドーピングタイム。
ここまできたら頼れるのはプラシーボ効果のみ(笑)

効果的なエネルギー消費をサポートする「VESPAプロ」、
それとともに痛み止めの「ロキソニン」を飲んでおく。

もちろんどちらも事前に試しておいたもの。
これなら飲んでも大丈夫ってものを選ぶのが大切だ。

おかげさまで万全の状態でスタートを切れたよ。
何事も経験だね。
 

<レース>

スタートの合図からスタートラインを越えるまでは
だいたい7~8分くらい。

大渋滞で走るに走れないから、
ウォーミングアップの代わりにゆっくり歩いて
呼吸を整え、緊張をほぐす。

銀杏並木を越えるぐらいまでは
いまいち波に乗れない感じがしてしんどかった。

でも、景色が開けて一般道に入る頃になると、
身体もあったまってきたことと、
普段は走れない車道のド真ん中を走る高揚感とで
一気に身体が軽くなった気がした。

10kmまでは本当にあっという間。

ウェルネスパーク前の給水所で最初の栄養補給をした。
飲んだのは「MEDALIST AMINO DIRECT 5500」。

トイレに行きたくなるのも困るので、
そしてウェストポーチが重くなるのも嫌なので
顆粒のまま飲めるタイプを持ってきていた。

これは富士登山のときにも水に溶かして持っていったのだけど、
飲みやすいし疲れが溜まりにくい気がしてお気に入りなんだ。

カーボ・ローディングの項目でも書いたけど、
今回のレースのポイントはいかにエネルギーを切らさず
最後まで走り切るかだと考えていたから、
10kmと30kmを目安に「MEDALIST AMINO DIRECT 5500」を、
20kmを目安に「PowerBar GEL」を飲もうって事前に決めていた。

昨年は全くのノープランで飴玉くらしか持たずに走ったのだけど、
自分の体型を考えたらそれで間に合う訳がない。

給水所で配っているアンパンやバナナだけでは
エネルギー消費に補給が追いつかず、
それが結果的に後半のガス欠に繋がってしまったのだろう。

昨年の失敗も決して無駄ではなかった。
 

給水所を除き、15km地点まではノンストップで走ることができた。
自己記録は13kmだったから、一気に2km更新したことになる。

すぐ隣の復路には続々と先頭集団がやってきていた。
もうすぐつきっこのみんなとすれ違う。

すれ違ったときに歩いてたら恰好悪いし、
せっかくなら走りながらハイタッチしたいから、
16kmくらいまでは少し休みながら呼吸を整え
そこから一気に折り返し地点まで走った。

目線は自然と赤いチームTシャツを探す。

最初にすれ違ったのはAkiさん。
次にウコンさん。

この2人はいつも早い。

そしてすぐにmoonさんが来る。

昨年は辛くて辛くて歩きながらハイタッチしたけど、
今年は走りながらハイタッチできた。

どうだ!って何となく思った。何が?(笑)

次々に皆が向こうからやってくる。
それぞれにハイタッチしながら、気が付いたら折り返し地点だった。

このあたりから少しずつ左膝に鈍い痛みを感じるようになっていたけど、
このへんはもう意地だ。

みんなとハイタッチするまでは歩くもんかって思っていた。
いや、実際にはちょっと歩いてはいたけどね。

沿道の応援ももちろん嬉しいのだけど、
やっぱり仲間とするハイタッチは何物にも代え難い。

道中、チームののぼりを持って
メンバーの写真撮影を兼ねてmoonさんの奥さんとめぐさんも
応援に来てくれていた。

昨年も来てくれていたので、
だいたいどの辺りにいるかは分かっていたのだけど、
こののぼりを見つけた瞬間も、やっぱ嬉しかったな。

今回は総勢15名。
誰一人欠けることなく完走した。

普段から走ってる人ばかりのチームじゃないのだから、
これってもの凄いことだと思う。

折り返し、中間地点を過ぎる頃になると、
距離相応の疲労が身体に蓄積されてくるので、
最後のスパートに備え、走るのと歩くのを繰り返した。

22km過ぎの給水所にあったトイレで、
このレースで初めて用を足した。心も身体もスッキリ。

このタイミングであららちんに抜かれてたみたいで、
再び走りだしたらすぐ前にマリオが見えた。

あららちんはいつも一定のペースで走るから、
彼女のペースが時間内に完走できるペースなのだと意識しながら走った。

ほんの少しの期間ではるけど、一緒にも走った。
沿道の応援が凄くて、あららちんの人気に少し嫉妬した(笑)

そういえば100kmウォークのときも、
ゼッケン1のmoonさんとゼッケン2のあららちんと一緒に歩いていたから
沿道からの声援は多かったんだよね。

人気者だよなぁ。
写真を見てもいつも笑顔なんだ。

膝の調子が良くなかったこともあり、
しばらくしてあららちんにともはぐれ、
少しずつ、少しずつペースも落ちていった。

25kmを過ぎると、軽い下り坂になるのだけど、
ここで左膝に鋭い痛みが走り、慌ててロキソニンを飲んだ。

後ろから見てたらたぶんぴょんって跳んだんじゃないかなってくらい
変な体勢だったと思う。

膝の外側にピキッって感じの痛みが走ったあと、
じわじわと痛くなるのが分かった。

膝を曲げずに走ると少し楽だったので、
歩いてるような走ってるようなペースで進んでいった。

効果が出るまで、少しの間の辛抱だ。
 

ウェルネスパークの前を通り過ぎ、
再び大通りに戻って来る頃には車線規制も終わり、
でこぼこの歩行者道路を走ることになる。

道幅が狭いうえに2人以上で歩いてる人は横並びになっているから、
痛めた左膝をカバーしながら苦労して追い越していった。

歩いている人の横を追い越していくとき
「おれたち、時間内間に完走できるかな」みたいな会話も聞こえ、
昨年の今頃は自分も同じことを考えてたなと思ったのを憶えている。

歩き出したくてたまらなかったけど、
ここで再び歩いたらまた昨年と同じだと思って
とにかく足を動かした。

32kmの関門は、制限時間ギリギリの13時55分くらいに通過した。
あぶねーマジあぶねー。

昨年もギリギリだったから、
ここまでのタイムは昨年とほとんど変わらないんだ。

そう思ったら、ここまで気合入れて頑張って走ったつもりだったから、
それはそれで少し残念ではあったのだけど、
昨年とひとつ違う点があって、体力にまだ余力が残っていた。

35kmを通過した時点で、残り時間は1時間10分くらいだったかな。

キロ10分のペースで7km、
このときに初めて「あ、いける」と思った。

昨年はこの距離表示のボードを見るまでがずいぶん長く、
この道がいつまでも終わらないように感じたのだけど、
今年は少しだけ、ほんの少しだけではあるけれど短く感じた。

手ごたえというには頼りない感覚ではあったものの、
確かな感触として、初めて自分の中に広がるものがあった。

左膝は相変わらず痛いのだけど、
走れないほどじゃない。

マメができた感覚もないし、
疲れだって100kmウォークのときはこんなんじゃなかったぞ、と。

ここからは先は、気持ちの勝負。


陸橋を抜けた先で、ヤマグチくんに追いついた。

左膝が痛いことを伝えると、
彼の持っていたエアーサロンパスを貸してくれた。

火照った痛みに心地よい。

サロンパスとロキソニンが効いたのか、
体重をかけた状態で膝を曲げない限りは
痛みもずいぶん楽になってきていた。

そこから数キロは、彼と一緒に走った。

もうゴール前までは仲間とすれ違うこともないし、
このタイミングで誰かと走るなんて想像してなかったから
ちょっと不思議な感じがした。

これがあったから、ずいぶん距離を稼げたと思う。

しばらくしてまた左膝に痛みが走り、
彼には先に行ってもらった。

「エアーサロンパスは預けときますね」と
最後まで左膝のフォローをしてくれたのは有り難かった。


再びつくば大学に戻って来たとき、
ジンさんとカービィさんにすれ違った。

ジンさんとは距離があってできなかったのだけど、
カービィさんとはすれ違うとき、少しだけ長いハイタッチをした。

カービィさんは昨年も走って、
そして時間内に完走もしてる。

本来なら今年のつくばに出る予定はなかったのだけど、
オレが走りたい、リベンジしたいって言ったら付き合ってくれた。

いつも思うんだけど、侠気のある人なんだ。

ハイタッチをしながら、
オレ、今年はやれそうです、イケますって心の中で思った。
たぶん、分かってくれたと思う。

伊達に100kmを一緒に歩いた仲じゃないよね(笑)


残り1kmの距離表示が見えたとき、
もう歩いても確実に制限時間内でゴールできる位置に来ていた。

少し走ると、今度はのぼりを持ったmoonさんが待っていてくれた。

もちろんまだまだ油断は禁物ではあるけど、
「よく頑張った!あと少し!!」って声を掛けてくれた。

嬉しくて泣きそうだった。

照れ隠しみたいなハイタッチをした。

ありがとう。
moonさんが引っ張ってきてくれたから、ここまで来れた。


競技場に入ったとき、再びマリオが見えた。

既にゴールしていたみゆきさんがあららちんに並走してたけど、
早くて追いつけなかった。

少しだけ残念で、少しだけ悔しかったけど、
でもいいや、今年は時間内にゴールできたからって思った。

ゴールの瞬間、小さくガッツポーズした。
何度も何度も、ガッツポーズした。

つきっこの皆が待っててくれていた。
祝福してくれた。ハグしてくれた。

嬉しくて嬉しくて、ずっと涙を堪えていた。


5時間52分05秒。


公式タイムの時計は、6時間をちゃんと切っていた。
 

<完走証>

去年もらえなかった、タイム入りの完走証。

マラソンやってる人から見れば全然たいしたことないタイムだけど、
生まれて初めて手に入れた念願の公式タイム。

「努力した者が全て報われるとは限らんが、
でも、成功した者は皆すべからく努力しておる。」

・・・漫画の中のセリフだけどね。痺れるよね。

最悪、もし当日に結果が出なかったとしても、
この日までやってきた時間は自分を裏切らない。

今年駄目ならまた来年やればいい。
今年しかなければ別の大会でやればいい。

そう思って取り組んではいたけれど、
ンなこと言っても今回達成できなかったら絶対悔しかったと思う。

この日を支えてくれたみんなに、心から感謝してる。

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プロフィール

HN:桶屋が儲かる

多感な青春時代に
伊集院光を聞き育つ。

撃ち抜けないのは美女の心と物事の急所だけさ。

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