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撃ち抜けないのは、美女の心と物事の急所だけさ。
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※この記事は、2008年10月16日にmixiで投稿したものを転載したものです。


サッカー2010年W杯アジア最終予選
「日本‐ウズベキスタン」を観戦してきました。

浦和美園駅からスタジアムまでは徒歩で約15分。

道の両脇には粉もの屋台やユニフォーム露天商が立ち並び
幅の広い1本道で薄暗くはありましたが
しばらく行くと空が明るくなる程のまばゆい光が目に入ります。

そうです、ここが決戦の地、「埼玉スタジアム2002」。

とうとう来たぜ念願の場所。
初めて来たのですが、見れば見るほどホレボレするスタジアムでした。

ピッチまでの距離が近く、臨場感は抜群で、
低層スタンドでも傾斜が充分に取ってあって、
座ったままでもピッチ全体が見渡せる程見通しが良い。



トイレの数も多く、試合中でもすぐ戻ってこれるし、
フライドチキンは冷めてたけど、生ビールは美味しい。

ここで試合が見れるなら、毎試合来てもいい・・・いや、来たい。

私は横浜市民で、かつ浦和レッズのファンでもないのですが、
ここなら高いチケット代と交通費を足しても、足を運ぶ価値がある、
そんな思いにさせる最高のスタジアムだと思いました。

浦和の観客動員数が多いのもうなずけます。

横浜国際総合競技場ももうちょい・・・ねぇ?
なんて思いつつ、指定座席でキックオフを待ちます。


この日は、どんなに泥臭くても形が作れてなくてもいいから、
とにかく勝ち点3がもぎ取ろうという試合でした。

しかしながら、そう思って臨んだ試合は泣きたくなるほどショボショボで、
ホームで負けに等しい1-1の引き分けで終わりそうな試合展開。

試合終了5分前、得点できる感じもしないし、
これは「終わったな」と思い、私は帰ることにしました。

背中ごしに試合終了のホイッスルが聞こえます。
結果は引き分け。残念です。


・・・と、ここまでは良かったんです。

ところが、この日はそれだけでは終わりませんでした。
本当の戦いは、むしろここからだったのです。

帰宅ラッシュに巻き込まれぬよう早足でスタジアムを回り、
階段を降りて、浦和美園駅方面へ。

帰りの電車の時間を検索しながら、
私は気付いてしまいました。

自身の膀胱が、耐え切れぬほどの尿意に襲われていることに。

今までに体験したことが無いほどの激しく力強い圧力!

考えてみれば当然で、私は試合中に相当量のビールを飲んでいたのですが、
よくよく思い出してみれば、後半戦以降、それを一度も放出していない。

ハーフタイムに一度スッキリしたものの、
アルコールによる利尿作用は、
そんな安心・安全レベルをはるかに超越するレベルに達していました。

私の身体の中には大量の生ビール。
まさに樽です。蓄積されています。試飲も可能かもしれません。

それが私の膀胱を超高速で蝕んでいきます。


・・・こ・・・これはいかん。


そのシグナルに気付いたが最後、
意識はもう完全に膀胱のもの。

トレイのある浦和美園駅までは急いでも10分・・・

この予想を超えた激しさ・・・
いやダメだ!とてもじゃないが耐えられそうに無い。

ではスタジアムに戻って・・・?

い・・・いや、今戻ればせっかくラスト5分を切り上げてまで手に入れた
早期帰宅のアドバンテージが水の泡、
そもそも再入場は禁止されてたような気がする。

そんなことを考えながら、さらに早足になる私。
その早足の振動が、さらに強く膀胱を刺激します。


・・・走るか?

い・・・いや、そんなことをしたらむしろ大惨事・・・

そ・・・それなら立ち止まって、この非常事態ランプが消えるのを待つか?

ちょっと待て待て待て!それはイコール年齢を超越する神の一手!


焦る私。

明らかな限界が近づいてくる膀胱。

さらに激しく加速する利尿作用。



・・・もう・・・もうだめ・・・










そこで目に入る。帰り道右手に広がる森。


・・・ざわ・・・



まさに起死回生っ・・・暗がりの死角っ・・・盲点っ・・・!



・・・ざわ・・・ざわ・・・




まさかの・・・っ・・・わき道っ・・・!





・・・ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・じょっばーじょばじょばぼじょじょぼじょぼぼぼぼじょ





その日は、・・日本代表は引き分けによる貴重な勝ち点2を失い、
そして私は、人として大切な何かを失った、そんな1日となりました。
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撃ち抜けないのは美女の心と物事の急所だけさ。

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