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撃ち抜けないのは、美女の心と物事の急所だけさ。
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ライトアップされ幻想的に浮かび上がった倉庫を眺めてる。

「素敵ね…」
「いや、お前の方が素敵だよ」

言いたい。超言いたい。マジで言いたい。
そういえばもう半年くらい前になるかな、
ある人に冗談でそれを言ったら

「嘘くさい」
「信用できない」
「それカッコイイと思って言ってるんだったら本気でやめて」

とボロカスに言われて以降、いつものメンバー相手にすら言えなくなった。

いや、この台詞を本気でカッコイイと思って使うような、
そんな程度の人間に自分は思われていたのかと情けなく思うと同時に、
悔しいからガチでスマートにそんな歯の浮くような台詞を
バンバン決められるような男になりたいとも思った。

でも…この歳になってまた人を好きになるなんてこと、あるのかね。

───────────────────

これ、食べさせたいなあ。

強く思った。このおいしいものを、君に食べさせたい。
そのときぼくは――はたと気づいた。
何かにつけ彼女のことを考えている自分に。

面白い場所を目にしたら彼女に見せることを考え、
おいしいものを食べたら彼女にも食べさせたいと願っている。

どんな反応をするだろう。
好きだろうか。
喜んでくれるだろうか…。

今までのように自分だけの「よかった」で終わらず、
彼女と分かち合いたいと自然に望んでいる。
ああ――。人を好きになるって、こういうことなのか。

賑わう人通りの中で、ぼくは実感した。
とても清らかな感情が胸を満たす。

このさき彼女との関係がどうなっても、
ぼくはこんな心境があることを教えてくれた彼女に感謝するだろう。

そう思った。

───────────────────

まぁこれ読んでちょっと羨ましいなと思ったけどさ。



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プロフィール

HN:桶屋が儲かる

多感な青春時代に
伊集院光を聞き育つ。

撃ち抜けないのは美女の心と物事の急所だけさ。

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