撃ち抜けないのは、美女の心と物事の急所だけさ。
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今更ながら新海誠監督の『君の名は。』を観てきたよ。
泣いたね。
2度も泣いた。
親父にも泣かされたことないのに。
新海誠監督の作品はいくつか観てきているけれど、
どれも「映像の美しさ」がとても印象的で、
この作品も例に漏れずとても美しく、印象的な場面が随所にある。
作風的に決して作画枚数が多い訳ではないし、
アニメーションとしてものすごく「動く」訳ではない。
だけど、その背景、風景、情景、それらの魅せ方が抜群に上手いと感じた。
確かに「当たる要素がてんこ盛り」とか「薄っぺらい」とか
「ミュージックビデオっぽい」という批判があるのも分かる気がするけど、
でも個人的にはすごく良かったし、何よりこれは「使える」映画だった。
作中に「結び」って言葉が出てくるの。
寄り集まって形を作り、
捻れて絡まって、時には戻って、
途切れ、またつながり。
それが組紐。それが時間。それが結び。
糸織りをするおばあちゃんの言葉で
この作品のテーマになってると思うのだけど、
なんでそうなの?とか理由なんていらないし、意味なんてないし
整合性とかそんなことは別にどうでもよくて、
捻じれ、絡まり、戻って、途切れ、それでもつながる紐のように
誰かを探し、求め、出会い絡まる人と人との「縁」がある。
映画を観終わったとき、ただただそれを大切にしたいなと、
今、自分のそばに、隣にいる人との巡り合いを喜びたいなと思えるんだ。
やっと会えたことが嬉しくて、今こうしていることが幸せで、
友達以上恋人未満の関係の2人で観に行けば、
もう「付き合う」を通り越して帰りがけに婚姻届出してこうぜみたいな、
もうほんとそんな感覚になってもおかしくないなと。
映画館に足を運ぶ理由は数あれど、たぶんこの映画が好きな人は
映画としてどうかとか、物語として納得できるかどうかなんて求めてなくて、
観終わったあとに「ちょっといいな」と思ってる人との
距離を縮められかどうかの方が遥かに大切だと思うの。
映画を観終わったとで食事して、お酒が入り、
ちょっといい雰囲気のバーに立ち寄って甘い言葉をささやく。
まぁたぶん間違いなくイケるね。それくらいの破壊力がある。
そういう意味で、実に「使える」。
いや、美しく清々しい素敵な映画を観たあととは思えない
下衆の極みみたいな感想だけど、だからこそリピーターが多いんだと思う。
大切な人との大切な思い出を積み重ねていくことの尊さと、
繋がることの喜びを感じられる、そんな映画『君の名は。』。
まぁ、僕はひとりで観に行ったんですけどね。
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