撃ち抜けないのは、美女の心と物事の急所だけさ。
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今日は人に自慢できるようなたいした記念日でもないのだけど、
そして、その記念日を御祝いするために今日会った訳でもないのだけど、
ちょうどいいタイミングだったので花束を贈ることにした。
先日2人でお酒を飲んでいたときに
「今まで見た中で一番印象的な風景はなんだった?」
みたいな話を酔っぱらいながらしたのね。
僕の方は富士山で見た風景の話をしたのを覚えてる。
混雑の影響で日の出の時間までに山頂へ行くことができなかったけれど、
それでも圧倒的に美しく、何故か涙が出てきたことを。
それを受けて向こうは、以前「虹色のバラ」を取り扱う仕事をしたことがあって、
眼前に広がる一面の虹色がすごく素敵だったと
そのとき撮影した写真を見せながら楽しそうに話してくれた。
ただ、その虹色のバラがすごく綺麗で自分も欲しかったのだけど、
そのときはスタッフだったからそのバラを買うことができなくて
それだけが心残りなんだと話していた。
そんな話をした今日、待ち合わせ場所に向かう道すがら
ふと目にとまったお花屋さんにその虹色のバラが置いてあるのを見つけて、
ああ、こんなご縁もあるんだなと思って、
小さなブーケにしてもらって、カバンの中にこっそり隠し持っておいた。
すごく驚いてくれたし、すごく喜んでくれた。
嬉しいね。
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