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撃ち抜けないのは、美女の心と物事の急所だけさ。
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マンダリンオリエンタル東京37階にある
フレンチファインダイニング「SIGNATURE(シグネチャー)」。

訪れる1時間前に急遽予約したレストラン。

夜景の見える窓際の席が2組と、通路側の席1組が空いていて、
うちらが案内されたのは通路側の席。

コースとはいえ小一時間で出ようと考えていたので、
もし事前に予約していたお客様の来訪予定時刻が遅ければ
窓際の席に変えてくれないかと交渉してみたのだけど
受け入れてもらえず(そりゃそうかw)、
ちょっと面白くなく感じながら食事を始めた。

食べ始めてほどなくして、予約1組目が来訪。

どことなく遊び慣れた雰囲気を持つ小太りの男性客(独身)(※偏見)と
若く華やかながら香水の強い女性客(彼氏複数)(※先入観)が窓際に座り、
小癪な(※個人の感想です)薀蓄とともに始まる男性客のワイン談義と
女性客の気のない返事(※印象には個人差があります)を眺めつつ、
あの組に席を取られたのかと、さらに面白くない気分になっていた。
(※これを「逆恨み」と言います)

彼女とはそれなりの会話を交わすものの、
時折訪れる沈黙に若干の居心地の悪さを感じていた頃、
もう1組の予約のお客様がやってきた。

「場慣れてしていない」と書くと自分も大概だけど、
このレストランの雰囲気に少しそぐわない印象の年季の入った、
とはいえ品のある洋服を着た人の良さそうな老夫婦だった。

慣れない手つきでワインリストを開き、

「俺よくわからねぇんだけど、どれがいい?」
「私もわかりませんよ、どれでも」

といった初々しい会話が聞こえてくる。

先に入った小太りの男性客がそっちをわざわざ振り向いて
目の前の女性客とにやにやしながら何か話してるのが見える。

俺は正直、自分の目の前に座っている彼女が
彼らと同じ反応をしたら嫌だなと思っていた。

彼女の方を見る。
すると彼女は微笑んで、こう言った。

「なんかいいね。ああやって、おじいさんとおばあさんになっても、
こういうところで一緒に食事できる夫婦って、いいね。」

俺も、そう思った。
今夜はここに来て良かった。
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撃ち抜けないのは美女の心と物事の急所だけさ。

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