撃ち抜けないのは、美女の心と物事の急所だけさ。
『深夜特急』は、作家・沢木耕太郎の紀行小説。
インドのカルカッタからロンドンまでの陸路を描いた物語で、
いわゆるバックパッカーとして旅した筆者自身の体験がもとになっている。
第1便が刊行されたのが1986年、最終便が刊行されたのが1992年だから、
延べ6年の長期連載。文庫版だと全6巻にもなる。
正直、沢木耕太郎は好きな作家ではないのだけれど、
様々な物事から解放され、ひとつひとつ身軽になっていく様子が
手に取るように描かれており、悔しいけど読んでいて旅をしたくなった。
好きだったのが、この一文。
わかっているのは、わからないことだけ。
状況はどんどん変化していくし、データなんかは1年で古びてしまう。
それに経験というやつは常に一面的だしね。
知らなければ知らないでいいんだよね。
自分が知らないということを知っているから、
必要なら一から調べようとするだろう。
でも、中途半端に知っていると、
それにとらわれてとんでもない結論を引き出しかねないんだな。
どんなにその国に永くいても、
自分にはよくわからないと思っている人の方が、結局は誤らない。
この一文を読んだとき、この一文を読みたいがために、
ずっと読み進んでいた気がしたよ。
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