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本屋さんの話。
発売したばかりの新刊や話題の本なんかをレジに持っていくと、
レジの後ろ側に平積みにされてる同じ本と交換されることがある。
「同じ商品ですのでお取り換え致します」って。
質の悪い店員だとたまに無言で取りかえられることもあるけど(笑)、
それはまぁ別の問題として、
たぶん、新刊本が出たときのそんなマニュアルがあるんだろうね。
本をビニールに包装するにもコストがかかるし、
結局、販売するときはその包装も取ってしまう訳で、
それなら最初から包装していない本を売ればいい。
レジの後ろに平積みにされてる裸の本と交換すれば、
包装するコスト、手間もかなり削減できるし、
レジの手順だって簡素化される訳だから待ち時間も短縮される。
そういう意味では、確かに本を交換するのは
理に適ってる考え方ではあると思うんだ。
サービスの一環だって考えることもできると思う。
でもね、ものすごい自分勝手な話なのかもしれないけれど、
個人的に、それがすっごい嫌なんだよね。
理由は簡単で、本って一期一会なものだと考えてるから。
確かに本は大量生産されたもので、同じ版の同じ巻を買えば
誰がどこに積んである本を手に取ったって
全く同じ情報が詰まってるものなんだと思う。
でも、物理的に存在しているモノである以上は
何かしらの違いはそこにあるって考えてる。
その本、その中に詰まった情報ではなくて、
その自分が選んだ本、手に取った、この重みのあるそのもの、
コイツだって決めた今この手の中にあるこれ。
こいつとは、今ここで買わなかったら
もう二度と、よっぽどの偶然が重ならない限り会えることはない。
そいつじゃなく、こいつ。
個人的には、いつもそれくらいの気持ちでいつも本を選んでる。
にもかかわらず、目の前で別の本と交換されてしまう、
それってサービスでもなんでもないだろって思ってしまう。
その意思表示って訳ではないのだけれど、
そういう対応のある系列店では極力買わないようにしてる。
ささやかな抵抗ではあるんだけどね。
棚に並んだ中から「これだ!」って自分で選んで、
さぁ一緒に家に帰ろうじゃないかってなったときに
目の前で別のヤツと交換されても、それってすごく萎えるじゃない。
極端な話だけど、例えばペットショップで
悩みに悩んで「こいつだ!」って決めた子をレジの人に伝えたら、
じゃあ同じ種類ですからと目の前で別の子と交換されたらどう思う?
え?いやその子は私の選んだ子じゃないですからって思うよね。
私が選んだのはこの子ですって思うと思う。
まぁ生き物と本は比較できるようなものでもないんだろうけども、
自分にとっては本も同じようなもので。
同じ商品ですのでお取り換え致します、じゃないんだ。
同じじゃないんだ、同じじゃって気持ちなの。
そんな気持ちを知ってか知らずか、
絶対に交換しない系列店を、いくつか知ってる。
もしかしたら、ただ単にレジのマニュアルが
効率化されてないだけなのかもしれないんだけど、
でも、個人的にはそっちの方がいいよ。
欲しい本が出たら、必ずその本屋に寄って帰ってる。
この本と出会えた、一緒に帰れるんだって感謝の気持ちを込めた、
せめてもの恩返し。
できれば、そんな本屋さんが増えてくれることを願う。
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