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『クライマーズ・ハイ』。
久し振りに一冊読み終えたから、感想を書いてみる。
まずはあらすじ。
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悠木和雅は、群馬県の地方新聞記者である。
1985年8月12日、社内の登山サークル「登ろう会」メンバー
販売部の安西とともに谷川岳衝立岩登攀へ向かう予定だった。
しかし、帰宅を直前に控えた夕刻、社会部記者の佐山から
「ジャンボが消えた」との連絡が入る。
─日本航空123便墜落事故─
死亡者数520名、生存者(負傷者)4名、
単独機の航空事故として史上最悪の犠牲者を出した
未曾有の航空機事故が発生した。
社よりこの事故の全権デスクを命ぜられた悠木は、
次々と重大かつ繊細な決断を迫られる。
組織の相剋、親子の葛藤。
事故によって運命を翻弄された地元新聞記者の、
命を追った濃密な1週間が始まる。
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面白かった。
一気に読めた。
週末、風邪気味だったこともあって臥せってる時間が多かったんだけど、
その気だるさ吹き飛ばすくらいの熱気を持って読み進めた。
文藝春秋から2003年に出た本で、原作者は横山秀夫。
映画にもドラマにもなっているみたい。
事故当時、実際に群馬県の新聞社に勤めていた筆者の
実体験をもとにした細かな描写が凄い。
10年も前の作品なのに、作中当時の、
そして発表当時の熱が手に取るように感じられた。
なんでこの本を読む気になったかっていうとね、
事故の起きた8月12日は、実はオレの誕生日でもあるんだ。
日本航空123便墜落事故は、5歳の誕生日に起きた。
アルバムの中に、その記事のスクラップが挟んである。
なんでこれが自分の写真と一緒に挟んであるんだろうって、
当時は不思議で、怖くて。
あれから27年。
5歳当時のことは何も思いだせないけど、
事故の経緯は様々な媒体を通して知ることができた。
でも、そのときの「熱」とでもいうのかな、
実際に、それを目の当たりにしたときの怖さというか、
想いみたいなものまでは考えたことはなかった。
そのあたりの描写がね、この作品は本当に見事なんだよね。
連日のように目に飛び込んでくるこの世のものとは思えない写真や映像が、
同じ時代、時間を生きていた人のもとに、実際に起きた。
その現実に、押しつぶされそうになる。
当時、今の自分と同じ年齢の父や母が、何を感じ、何を想って
この事故の記事を息子のアルバムに挟んだのか。
当時の両親が見た風景を、なんとなく共有できた気がするよ。
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