会うと毎回のように喧嘩してる。
口癖のように「もう本当やだ、ほんと一緒にいたくない」と言われる。
お互いにしばらく無言の時間が続き、
「じゃあ行こう」と言って精算を済ませて店を出る。

帰り道は毎回、本気で、2人が会うのはこれで最後だな、
ああ終わったなと思うし、きっとお互いがそう思って別れてる。

だけど、必ずその日のうちに「今日はありがとう」と連絡が届く。
「家、着いた？おやすみなさい」と。

たいてい僕は帰りの電車でスマホの電池が消れるから、
僕がそれに気が付いて返信するのは2時間後で、
そして、それに対して向こうの返信があるのは昼過ぎだ。

お互いに未読スルーは当たり前。
リアルタイムでやりとりすることはほとんどない。

SNSもブロックし合ってる。
目が合ったときはたいていそらされる。
用がなければ連絡すら取り合わない。
電話はもともとだけど、かけてもまず出ることは無い。
パーソナルスペース？遥か彼方にあるね。

でも、数時間に1回のやりとりを重ねるうちに、
必ず次に2人で会う約束をする。
向こうから誘われることもあるし、こちらから誘うこともある。
よほど日程が合わない限り、お互いに断ることはない。

本命が決まるまでの繋ぎとして割り切れる関係ならそれもまたいいのか。
お互いがそのつもりなら、だけど。

･･･でももう、手遅れかもね。

※この話はフィクションです。

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