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撃ち抜けないのは、美女の心と物事の急所だけさ。
1987年3月に劇場公開されたSFアニメーション。
のちに『新世紀エヴァンゲリオン』を世に送り出すガイナックスは、
この劇場用映画を作成するために設立された。

監督、脚本は現ガイナックス代表取締役の山賀博之。

彼を含めて制作スタッフの多くが金もコネもない20代の若者達で、
キャラクターデザイン、総作画監督に
貞本義行(新世紀エヴァンゲリオン、おおかみこどもの雨と雪)、
作画監督に庵野秀明(ふしぎの海のナディア、エヴァンゲリオン)、
原画に結城信輝(ロードス島戦記、宇宙戦艦ヤマト2199)、
江川達也(まじかるタルるートくん、東京大学物語)、
板野一郎(超時空要塞マクロス)などなど、
現在も一線で活躍する才能豊かなメンバーが集結。

このあたりのメンバーについては、
島本和彦による自伝的漫画『アオイホノオ』を読むと
より一層理解できるかもしれない。
もしご興味があるなら併せて目を通すことをおすすめする。

なお、音楽監督はYMO、『戦場のメリークリスマス』の坂本龍一、
主人公シロツグの声優は俳優の森本レオ務めている。

2013年にこの続編として『蒼きウル』の制作(再開)が発表されたものの、
たぶん、オレが30代のうちに観ることは叶わないだろう(苦笑)。

ストーリーとても単純だ。

「落ちこぼれ」として世間に揶揄される宇宙軍に所属する主人公シロツグ。
そんなシロツグが、街で出会った少女リイクニの興味をひきたくて、
人類初の有人人工衛星のパイロットとして宇宙を目指す主人公の成長譚。

淡々と進む物語は盛り上がりに欠ける面もあるかもしれない。しかし
その映像はとても刺激的で、挑戦的で、迫力があり、
そして美しく、何より気持ちが良い。

初めて観たときは正直そんなに惹かれなかったんだけど、
なんだろうな、当時の「自分たち」を暗喩したような設定と、
そこで繰り広げられる会話の意味を楽しめるようになってきたのか、
それとも歳をとって単なる懐古主義からくる補正がかかってるのか、
なんかもう、久しぶりに観たら堪らんかった。

このところわりとよく映画を観てるんだけど、
しっかりと作りこまれた世界観は安心して観てられる。

おすすめ。


─いいことなのか、それとも悪い事なのか、わからない。
でも多くの人間がそうであるように、俺もまた自分の生まれた国で育った。

そして、ごく普通の中流家庭に生まれつく事ができた。
だから、貴族の不幸も、貧乏人の苦労も知らない。
別に、知りたいとも思わない。

子供の頃は、水軍のパイロットになりたかった。
ジェットに乗るには、水軍に入るしかないからだ。
速く、高く。空を飛ぶ事はなによりも素晴らしく美しい。

でも、学校を卒業する二ヶ月前、
そんなものにはなれないってことを成績表が教えてくれた。
だから宇宙軍に入った。


森本レオのこのナレーション、たまらんね。


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撃ち抜けないのは美女の心と物事の急所だけさ。

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